2012年度から栄養生命科学科の饗場直美教授と大森由実助手を新たなメンバーとして迎え,食と音楽に関する教育研究プロジェクトを立ち上げることになりました.饗場教授は,免疫の基礎研究からより実践的な栄養教育・食育に研究テーマを広げ,公私共に食育を実践中です.子どもから高齢者までの生涯を通じた健康づくりの為の科学的根拠に基づいた食生活を提唱し,行動科学理論に基づいた栄養教育の実践・評価と食育における環境整備や評価法について研究を行っています.最近までNHKテレビ「今日の健康」に出演していたのでご存じの方も少なく無いかもしれません.
近年,食事における心の状態の重要性について注目が集まっており,学問的な研究も盛んになっています.米国の研究者J. L. Kristeller氏は,mindful eatingという考え方を提唱し,「mindful eatingとは空腹感や満腹感覚に耳を澄ますことである.」と述べています.
音楽は心の状態に大きな影響を持つという意味で食と関連が深いだけでなく,食に対する感受性と音楽に関する感受性の類似性は,これらの感性を育てていく上でも興味あるテーマだと考えています.